パーソナルトレーニングって効果あるの?
無駄にしないコツは?
パーソナルトレーニングが良いと言われているけれど、イマイチ得られる効果が分からない。
せっかくお金を払うなら最大限効果を発揮したいと思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、パーソナルトレーニングの効果や有効な活用方法についてご紹介します。
パーソナルトレーニングの効果とメリット
パーソナルトレーニングは、通常のセルフトレーニング以上の効果が期待できるといわれています。
パーソナルトレーニングを受けることで得られるメリットは、以下のとおりです。
- オーダーメイドのメニューで結果が出やすい
- 怪我のリスクが少ない
- 周りを気にせずにトレーニングができる
それぞれのメリットについて解説します。
オーダーメイドのメニューで結果が出やすい
パーソナルトレーニングでは、入念なカウンセリングと身体の状態を確認したうえで、その人に最適なトレーニングメニューを提案します。
「目的」「身長・体重」「性別」「年齢」「今までの運動経験」「筋力」「体力」などは個人差があるため、その人にあったトレーニングをしなければ効果は半減します。
たとえば、ダイエット効果を期待する人は遅筋を使うトレーニング、筋肉肥大効果を期待する人は速筋を使うトレーニングが必要です。
遅筋と速筋の違いは、以下のとおりです。
筋肉の種類 | 特徴 | トレーニング方法 |
---|---|---|
遅筋 | 持久力を発揮するときに必要な筋肉酸素を使って糖質・脂質を燃焼 | 負荷低めで筋肉疲労をかけずに同じ動作を繰り返す反復トレーニング |
速筋 | 瞬発的に大きな力を出す筋肉糖質をエネルギー源とする | 負荷高めで、できるだけ短時間・少ない回数で筋肉疲労を感じられるトレーニング |
速筋トレーニングでは、負荷のかかったトレーニングをすることで筋繊維を傷つけて、修復時に元の筋肉より太くなるように身体を改造します。
つまり、「引き締めボディ」「ダイエット」を目的としている人が、無闇にフルパワーで筋トレをしてしまうと、自分の理想とは異なる体型になってしまう可能性があります。
あくまで遅筋トレーニングと速筋トレーニングの話は一例であり、女性と男性の筋力の差や、過去の運動経験の差によってもトレーニング方法は変えなければなりません。
身体の構造やトレーニングの資格を持っているプロのトレーナーからパーソナル指導を受けられれば、その人にあった最適なオーダーメイドメニューを組んでもらえます。
結果的に、セルフトレーニングよりも短期間で目に見えて効果を実感しやすいのです。
怪我のリスクが少ない
最近では筋トレ系YouTuberなどの影響力も大きく、上級者の動画を見よう見まねで実践する方が怪我をするケースが増えています。
フリーウエイトのスクワットやデッドリフト、ベンチプレスで使用するバーは、重りをつけない状態で20kgあります。
たくさんの重りをつけてトレーニングするかっこいい動画を見て、同じようにやると持ち上がらないどころか、首やお腹、足に落として大怪我につながります。
とくに腕や背中を鍛えるベンチプレスは、失敗すると首や胸を圧迫してしまうので、上級者でも死亡事故が起きているほど危険なトレーニング方法なのです。
また、安全装置がついていたり、最小負荷が3kgから選べるマシンを使っていても、間違ったフォームでトレーニングをすると筋肉や腱など見えない部分を痛めてしまいます。
トレーニングをはじめて「腰痛」「関節痛」に悩んでいる方の多くは、トレーニングのフォームが間違っている可能性が高いです。
パーソナルトレーニングでは、まず軽い重量で正しいフォームを学び、筋肉の使い方を身につけたうえで重量を上げて負荷をかけていきます。
周りの目を気にせずにトレーニングができる
完全プライベートのパーソナルトレーニングジムを利用すれば、ほかの利用者からの目を気にせずにトレーニングができます。
ジムに通いたくない理由の中に「ムキムキの人たちに囲まれるのが怖い」「周りにどう思われているか気になってしまう」など周りの視線が気になる声が多く寄せられています。
確かにジムには体を鍛え上げた人たちが通っているため、その中に初心者が混ざってトレーニングするのは抵抗を感じる方もいるでしょう。
個人経営をしている完全プライベートジムでは、トレーニングルームが貸切状態になるため、体型やフォームを周りに見られる心配はありません。
自信がつくまでは完全プライベートでトレーニングをするのも良いでしょう。
注意点として、「パーソナルトレーニング」と「完全プライベートのパーソナルトレーニング」は異なります。
一般的なパーソナルトレーニングとは、ほかの利用者もいる共有ジムスペースでトレーナーから指導を受けるタイプのものです。
ほかの利用者がいないプライベート空間でトレーニングをしたい方は、「完全プライベート」のタイプを利用してください。
パーソナルトレーニングで効果を高める方法
パーソナルトレーニングで最大限の効果を発揮するための方法は、以下のとおりです。
- 大きな筋肉から鍛える
- 正しいフォームでトレーニングをする
- 重量を意識しない
それぞれの方法について解説します。
大きな筋肉から鍛える
セルフトレーニングでは腹筋や背筋など細かい部位のトレーニングメニューを組みがちですが、パーソナルトレーニングでは下半身を中心としたメニューが多いです。
人間の身体の筋肉は、60〜70%が下半身を占めています。
つまり脚やお尻を中心とした「バーベルスクワット」「デッドリフト」などのトレーニングをすることで身体の大部分を鍛えることができるのです。
身体の筋肉のうち10%に満たない部位を鍛えることも大事ですが、初心者や目に見える変化を期待するのであれば、まずは大きい筋肉を中心に鍛えるのが効率的です。
さらに、脚やお尻の筋肉を鍛える際、バーベルやダンベルを支えるのは背筋、腹筋など上半身の筋肉のため、結果的に全身運動になります。
セルフトレーニングの場合、初心者やトレーニングが苦手な方は、バーベルやダンベルを使えないため、ついつい小さい筋肉を鍛える運動をしがちです。
その結果、目にみえる効果がでずに、挫折したり、モチベーションが下がったりします。
パーソナルトレーニングでは、初心者や運動が苦手な方でも、トレーナーのサポートのもとで大きい筋肉を鍛える運動ができます。
結果的に、セルフトレーニング以上の効果が出ることが期待できるのです。
正しいフォームでトレーニングをする
パーソナルトレーニングに通うことで、正しいフォームで筋力トレーニングができます。
マシンやフリーウエイトでは、「どれだけ重い負荷で運動するか」以上に「正しい筋肉に効果のあるフォームができているか」が重要です。
たとえば、フィットネスジムで、マシンやダンベル、バーベルをガシャンガシャンと大きな音を立てて運動している方がたびたびみられます。
「ものすごい負荷をかけているので上級者なのかな?」と思うかもしれませんが、大きな音を立てるトレーニングは、反動を使っている可能性が高いです。
本来は背中や腕の筋肉を動かすべきトレーニングで肩を使っていたり、お尻や太ももの筋肉を動かすべきトレーニングで腰を使っていたりする例があります。
間違ったフォームでトレーニングを続けると、腰痛、骨折、炎症などのトラブルに発展しますが、セルフトレーニングでは指摘してくれる人がいません。
パーソナルトレーニングでは、負荷の少ないマシン、バーベル、ダンベルを使ってフォームを学び、細かい筋肉の動きを感覚で理解していきます。
「背中に効かせるように」という表現をするトレーナーが多くいますが、筋トレをしたことがない人からすると、ピンとこないでしょう。
パーソナルトレーニングで筋肉の動かし方を正しく理解できれば、レベルアップしたトレーニングでも怪我のリスクが最小限で効果を実感できます。
重量を意識しない
パーソナルトレーニングを受けていると最初のうちは、とにかく負荷の少ないマシン、バーベル、ダンベルで反復練習がおこなわれる可能性があります。
重りをつけたトレーニングに憧れを持ってパーソナルトレーニングに申し込んだ場合、いつまでもバーのみのトレーニングが繰り返されると、不満に感じるかもしれません。
しかし、初心者や運動が苦手な方は、「筋肉の正しい動かし方」「適切なフォーム」を理解するかどうかが、将来的なトレーニングの効果を左右します。
反動を使ったり、自分が得意な筋肉を無理やり使っても、ある程度の重さまでは動かすことができますが、一定以上の重さで限界がきます。
また、一部の筋肉に負荷がかかって痛み、炎症、骨折などの怪我につながりかねません。
セルフトレーニングでは自己判断で重量制限をするのがむずかしいですが、パーソナルトレーニングではプロの視点から限界値を判断してもらえます。
重量よりも正しいフォームを、重量よりもセット数を多く、など利用者の効果を最大限に引き出すために必要な要素を提案してもらえるのがパーソナルトレーニングです。
ついついがんばりすぎてしまう人こそ、パーソナルトレーニングで「やり過ぎ」にストップをかけてもらいましょう。
パーソナルトレーニングで効果が出ない事例
ただパーソナルトレーニングに通えば劇的な変化がでるわけではありません。
パーソナルトレーニングに通っても効果が出ないときに考えられる要因は、以下のとおりです。
- 正しいフォームができていない
- 日常の運動量が少ない
- トレーナーの質が悪い
それぞれの要因について解説します。
日常の運動量が少ない
「パーソナルトレーニングに通えば体型が劇的に変化する」と考える方もいますが、人間科学的な観点では間違った認識です。
たとえばダイエットで体重を落としたい場合、「摂取カロリー(食事)」よりも「消費カロリー(基礎代謝+運動)」が上回らなければなりません。
まったく運動をしてこなかった人が週1回のパーソナルトレーニングをおこなえば、適度に筋力がアップしたり、血流の流れが良くなるため基礎代謝の上昇は見込めます。
基礎代謝とは普段の生活で消費するエネルギーのことで、基礎代謝が高くなれば「痩せやすく太りにくい」体質に変わります。
しかし基礎代謝の上昇だけでは、明らかな体型変化を感じることはむずかしいです。
パーソナルトレーニング以外にもジムが自由に利用できるのであれば、最低でも週2〜3回以上は通って身体を動かすようにしてください。
完全プライベートのパーソナルジムで、予約時間以外のジム利用ができないのであれば、ウォーキング、ランニング、自宅での自重トレーニングを取り入れましょう。
セルフトレーニングで何をやればよいかわからない方は、トレーナーに相談するとセットメニューやおすすめのやり方を教えてもらえます。
トレーナーの質が悪い
最近では、十分な知識や経験のない素人トレーナーによる指導で利用者とのトラブルが多く報告されています。
パーソナルトレーニングでトレーナーの指導のもとでバーベルの筋トレをおこなったところ、腰椎の骨折などで全治1ヶ月の重傷を負ったケースがあります。
そのほかにも2017年から2022年の5年間で「パーソナルトレーニングの危害」に関する相談が105件寄せられており、そのうちの4人に1人が治療に1ヶ月以上かかっています。
国民生活センターは、度重なるトラブルと社会全体のフィットネス業界への関心度の向上に伴い、消費者に異例の注意喚起をだしました。
パーソナルトレーニングジムを運営するにあたって必要な資格がない分、知識や経験のない人がトレーナーとして活動している可能性があります。
無理なトレーニングは、怪我のリスクのほか、モチベーションの低下、リバウンドにもつながるため、長期的な視点で健康を維持できるかどうかを判断しましょう。
トレーニングジムを選ぶ際には、カウンセリング時に運動習慣・体力の確認、マシンなどを使用した体力テストなどを実施したうえでメニューを組んでもらえるか確認します。
カウンセリング時に利用者に寄り添わないような態度や発言がある場合は、ほかのジムのカウンセリングを受けてみてもよいでしょう。
また、トレーニング中に身体の痛みや違和感を感じたら、無理せず中断し、必要に応じて医療機関を受診するようにしてください。
パーソナルトレーニングに効果的に通う方法
「パーソナルトレーニングに通うからには効果を出したい!」という方は、以下のポイントを意識してみましょう。
- 1ヶ月単位でトレーニングをまとめて予約する
- 具体的な目的をはっきりさせる
- SNSでトレーニング記録を残す
1ヶ月単位でトレーニングをまとめて予約する
パーソナルトレーニング
パーソナルトレーニングの効果を最大限に発揮するためには、継続性が重要です。
そこで、予約は「毎週⚪︎曜日⚪︎時から」と固定のトレーニング日を設けることをおすすめします。
1ヶ月前から予約できるジムが多いため、まとめて曜日と時間を固定しておけば、トレーニングのルーティンがつくれます。
同じ予定で身体が慣れれば、パーソナルトレーニングの予定を忘れる心配がないほか、「めんどうくさい」と感じにくくなるでしょう。
ダイエットやボディメイクでは、1回のトレーニングの質の高さに加えて継続することを意識すると良いです。
理想は週2〜3回ですが、初心者であれば筋肉痛や疲労の回復を加味して週1回でも効果は期待できます。
1ヶ月に4回分のパーソナルトレーニングが受けられるのであれば、同じ曜日に週1回ずつ受けて継続的なトレーニングをおこないましょう。
具体的な目的をはっきりさせる
パーソナルトレーニングの効果を最大限に発揮するためには、「目的」をはっきりさせることが重要です。
目的とは「トレーニングを通して達成したいこと」です。
「ダイエット」「ボディラインの引き締め」「ボディメイク」「筋肉肥大」「リハビリ」「体力強化」などトレーニングの目的はさまざまあります。
カウンセリング時にトレーニングの目的を聞かれたらできるだけ明確に答えましょう。
目的を明確に伝えると、「遅筋トレーニングと速筋トレーニングの割合」「負荷の程度」「有酸素のトレーニング時間」などの微調整ができます。
ダイエットしたい方が速筋トレーニングをしたり、筋肉肥大したい方が有酸素運動ばかりしたり、リハビリ中の方が負荷の強いトレーニングをするのは不適切です。
効果のでにくいトレーニングで時間を無駄にしないためにも、目的を明確にしたうえでパーソナルトレーニングをはじめるのがおすすめです。
さらに「お尻のたるみを解消したい」「逆三角形の上半身をつくりたい」など身体の部位へのこだわりがあれば、それも伝えるとなお良いでしょう。
明確な目的がない場合は、カウンセリング時にその旨を伝えると、トレーニングの基礎から教えてもらえます。
SNSでトレーニング記録を残す
パーソナルトレーニングの効果を最大限に発揮するためには、モチベーションの維持が重要です。
モチベーションを維持する方法として、トレーニング専用のアカウントを作って記録を残すのがおすすめです。
最近では一般人のトレーニング専用アカウントが増えており、同じ趣味を持つ人とつながれるようになりました。
トレーニングをしている人たちと積極的につながりたい方は、以下のハッシュタグを使いましょう。
- 筋トレ
- 筋トレ男子
- 筋トレ女子
- 学生トレーニー
- 社会人トレーニー
- OLトレーニー
- 自分磨き
- 筋トレ好きと繋がりたい
トレーニング記録を投稿し続けて、フォロワーが増えたりいいねがもらえれば、モチベーション維持につながります。
実際に鏡越しの自分の姿を撮ったり、食べたもの、トレーニングメニューを文字で残すと、暴食やトレーニングのサボりの抑制にも効果的です。
モチベーションの維持に自信がない方は、SNSを有効活用する方法も検討しましょう。
パーソナルトレーニングで効果を実感しよう!
この記事ではパーソナルトレーニングの効果や有効な活用方法についてご紹介しました。
ただお金を払っているだけではパーソナルトレーニングも無駄になってしまいます。
普段の生活にも目を向けながら、パーソナルトレーニングを最大限生かしてみましょう。