• 2026.09.25 社長コラム

    最後に残るもの

    筆で文字を書く女性

    この国の体力を強くする、アルプロンの坂本です。


    浜口倫太郎さんの「動物の数え方―1分小説391作目―」が面白かったです。

    国語の先生が生徒たちに問いかけます。

    「牛や豚は一頭、鳥は一羽、魚は一尾と数える。なぜだと思う?」

    先生は、「これは最後に残る部位だ。牛と豚は頭が食べられない。鳥も羽は食べられない。魚も尾っぽは食べられない」なのだと説明します。

    牛や豚なら「頭」。
    鳥なら「羽」。
    魚なら「尾」。

    そこで先生が尋ねます。

    「じゃあ、人間の数え方はなんだ?」

    生徒のタカシが「一名です」と答えます。

    そう、人間は最後に「名」が残る。

    もちろん、これは本当の語源ではなく、うまくできた俗説、作り話なのだそうです。

    それでも先生はこの話が好きで、人間は死んだ後にも名前が残るような生き方をしてほしい、と生徒たちに伝えます。

    それを聞いたタカシは、「自分も名を残したい」と決意します。

    しかし、勉強も運動も芸術も、自分にはこれといった才能がない。

    「いったい何で成功すれば、名を残せるのだろう」

    そう考えながら、生涯その答えを探し続けます。

    そして結局、成功を見つけられないまま亡くなってしまいます。

    ところが最後にニュースが流れます。

    タカシは、なんと178歳まで生き、世界最高齢として、その名が歴史に残ることになった――。

    なんとも面白いオチです。

    この話を読んで、私自身のことを考えました。

    島根の坂本家長男たる私も以前は、「家の為に名を残したい」と思っていました。

    しかし今は、名を残すこと自体を人生の目的にする必要はないと思っています。

    なぜなら、名は人を感動させても残る。
    社会に大きく貢献しても残る。
    反対に、悪いことをしても残ります。

    つまり、「名を残すこと」と「よく生きること」は、必ずしも同じではありません。

    だから私は、名を残すことにこだわる承認欲求を手放したい。

    一人でも多くの人に喜んでもらう。
    社会の役に立つ。
    この国に恩返しをする。

    そのために自分の命を捧げ、出来る限りの事をやり尽くす。

    そんな生き方ができれば、ご先祖様や両親もきっと喜んでくれるだろうな、と思います。

    名を残すために生きるのではない。
    どう生きたか、その結果として名が残るなら嬉しい。残らなくても構わない。

    私は、そんな人生を歩んでいきたいと思います。





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