この国の体力を強くする、アルプロンの坂本です。
先日、私が敬愛する地元の先輩経営者のお母様がご逝去されました。
私より一回り以上年上の大先輩で、いつも温かく優しい眼差しの奥に、数々の修羅場をくぐり抜けてきた胆力と気骨を感じる方です。
その先輩が、言葉に詰まり目を潤ませる姿を見て、私ももらい泣きしそうになりました。
どんなに強い人でも、どんなに成功した年長者でも、「母を想う気持ち」は同じなのだと、あらためて感じた瞬間でした。
お母様も、きっと立派な社長へと成長された息子さんの姿を、誰よりも誇りに思い、そして見守ってこられたのだと思います。
そんなこともあり、私にとっての親孝行とは、一体何なのだろうか、と考えてみました。
会社を大きくして、たくさんの社員やお客様を幸せにすること。
有名になること。
もちろんそれも素晴らしいことです。
しかし、私が思う「最大の親孝行」は、
お金や地位とは関係なく、
「今の自分は幸せです」と胸を張って言える生き方をし、
それを感謝の言葉で親に伝えること、
なのだと、あらためて感じました。
中国の古典『大学』にも、こんな教えがあります。
「修身斉家治国平天下(しゅうしんせいか・ちこく・へいてんか)」
まずは自分を整えること。
次に家庭を整えること。
その先に、はじめて社会を治め、世の中を良くする力が生まれる。
つまり、どれだけ仕事で成功しても、
どれだけ社会的な役割を果たしていても、
自分自身が乱れ、家庭が崩れていては、本当の意味で世の中を良くすることはできない、という教えです。
どんな大きな会社の社長でも、家庭や生活が荒れていたら、親はきっと心配します。
どんなに立派な会社になったとしても、私の家族に笑顔がなければ、親は安心できないでしょう。
たとえ仕事で苦労していても、
「毎日が楽しいです」
「自分の人生に納得しています」
この一言が、親にとっては何よりの安心であり、誇りになるのでは、と思います。
さらに言うなら、
かなり恥ずかしいことですが、私も、父や母に対して、生きてくれているうちに
「産んでくれてありがとう」
「おかげさまで、いま私は幸せです」
こんな言葉を、もっと素直に伝えていこう。
後悔しないように。
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