この国の体力を強くする、アルプロンの坂本です。
「優れた経営者は芸術をたしなむ。」
幼い頃、尊敬する経営者の叔父からそんな言葉を聞いたことがあります。しかし私は、その意味を長い間理解できませんでした。
経営者である以上、限られた時間は仕事に使うことが最も価値があるのではないか。芸術や文化に時間やお金を費やすくらいなら、その分仕事に打ち込んだ方がよいのではないか。そんな考えを持っていたのです。
もちろん、年に一度のお茶会や茶事に参加したり、歌舞伎を鑑賞したりする機会はありました。しかし、それらはあくまで「余暇」であり、人生を豊かにする趣味程度の位置づけでした。
そんな私の考えが変わる出来事がありました。
先日、グッドモーゲージの横山信治社長とお話しする機会をいただき、「芸術をたしなむ本当の意味」を教えていただいたのです。
横山社長は、「仕事が順調に進み、運にも恵まれるようになると、人から嫉妬や妬みを受けたり、自分自身も知らず知らずのうちに慢心したりすることがある」と話されました。
東洋思想には「
陽極まれば陰に転ず」という言葉があります。勢いが極まれば、やがて反転する。その過程では、人の嫉妬や妬みを受け、敵も現れるようになる。だからこそ、成功や繁栄のエネルギーを適切に循環させることが大切なのだといいます。
その方法として、多くの人は寄付やボランティアなどの社会貢献を思い浮かべます。しかし、それだけではありません。
芸術に触れること、茶道や歌舞伎など日本文化を味わうこと、瞑想や祈りの時間を持つこと。こうした営みもまた、自分を整え、心のバランスを保つ大切な時間なのだと教えていただきました。
仕事は成果を求める世界です。一方で芸術は、効率や利益とは無縁の世界であり、純粋に美しさや感動に心を委ねる時間です。
そして何より印象的だったのは、「自分の貴重な命の時間を、仕事ではない時間に向けること。これもまた『
徳積み』となる」という言葉でした。
一見すると非効率に見える時間の使い方こそが、実は心を整え、運を育み、人としての器を広げる積み重ねになるのだと知りました。
その時間があるからこそ、人は謙虚さを失わず、感性を磨き、より大きな視点で物事を捉えられるのかもしれません。
私にとって、この話は長年抱いていた疑問への答えでした。
これからは、日本の伝統文化や芸術に触れる時間を「余暇」ではなく、自分自身を磨き、より良い経営者であり続けるための大切な学びの時間として、意識的に持ちたいと思います。
貴重な気づきを与えてくださった横山信治社長に、心より感謝しています。
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